谷川岳(1,977m) ・一ノ倉岳(1,974m)
林道終点にある新道登山口
平坦な山頂は指導標がなければ通過してしまうような縦走路上にあり、先客が1名休息していた。一ノ倉岳に着いたのが11時30分となり茂倉岳から武能岳への縦走は断念し山頂は風が無いので茂倉岳方面に少し行き昼食にした。
ノゾキを過ぎると一ノ倉岳へのきつい登りとなり、急な斜面を登る登山者が見える。低木帯の中、汗が噴き出る暑さに水を飲みながら進む。振り返れば一ノ倉沢の岸壁が迫力たっぷりに望められる。きつい登りから解放されると一ノ倉岳山頂に到着した。
富士浅間神社奥の院の鳥居
トマノ耳を後に5分ほどで双耳峰の鞍部となる。右側は急峻なマチガ沢で左側は万太郎谷の緩やかなササ原で対照的な山容が美しい。蛇紋岩の滑りやすい岩場を通過し一登りでオキノ耳の山頂に着いた。山頂は多くの登山者で賑わっていた。時々ガスが晴れトマノ耳が現れ急いで写真を撮る。蓬峠の蓬フュッテから七ツ小屋山への稜線も見えた。長居をせず一ノ倉岳を目指し出発した。
厳剛新道登山口から3時間50分でようやく肩ノ小屋に到着した。ガスで万太郎方面の稜線は展望できなかった。肩ノ小屋に立ち寄り登頂記念木札を貰えますかと管理人の馬場さんに尋ねるとどうぞと言われいただいた。今回は木札を貰うのが登山の目的でもあり同行したおじさんは知らなかったようで喜んでいた。トマノ耳山頂は登山者で賑わっていた。ここで記念写真を撮ってもらい途中同行したおじさんとはここで別れオキノ耳を目指す。
8:05 ガレ沢のコル
クサリ場とハシゴ
第一見晴を後に急登の連続となるが時々マチガ沢を望め、振り返れば白毛門が見える。クサリ場とハシゴを登るとまもなく西黒尾根コースと合流するガレ沢のコルに登山口から1時間50分で着いた。ここからは樹林帯を抜け展望が一気に開け岩稜帯の谷川岳らしい風景が広がる。登り始めるとまもなく岩場の登りとなる、黄色く塗られたペンキを頼りに登る。登山道脇にはハクサンコザクラ、イワカガミ、ミヤマキンポゲ、タニウツギやホソバヒナウスユキソウなどが咲いていた。登り初めて間もなく6:10から西黒尾根を登ってきたという年配の単独の人が追いついてきて年のせいか疲れると話していたが健脚である。聞けば谷川岳が好きで良く登っていると話しながらしばらく同行し登った。クサリ場を登るときに歩幅が合わず腰が痛くなったと言いだし、自分も足が少し痛くなったのでしばらく小休止した。奥さんに先立たれ一人でいても、暑いしつまらないので登りに来たと言い、山に登るのも道楽の内だと言う、なんとなく話が合い山頂まで同行することになった。
登り始めは緩やかな登山道を沢を渡りながら低木の樹林帯の中、噴きだす汗を拭きながら登る。登り始めて1時間ほどで第一見晴に出た。雪渓のマチガ沢は絶景だが山頂は相変わらずガスの中だ。大量の汗をかき疲れたのでここで小休止した。
6:15 厳剛新道登山口
土合橋を渡り車道を登ると谷川岳遭難者慰霊塔のある広場がある。毎年山開きにはここで遭難者の慰霊と登山の安全を祈願する式典が行われすでに会場の準備がされていた。ここからさらに5分ほど車道を歩くとロープウエーの駅がある、まだ開いていないが駐車場は利用できる。谷川岳登山指導センターで登山計画書を記入し厳剛新道登山口までさらに車道を登る。今の時期は車両は通行止めとなっている。カーブを2つほど登ると西黒尾根登山口があり1名が登って行った。さらに15分ほど登ると厳剛新道の登山口がある。山頂にはガスが掛かっていたが6:15分に登り始めた。
山開き会場となる遭難者慰霊広場
14:30 芝倉沢出合い
マチガ沢のかけ橋
幽ノ沢手前にあるブナのしみず
ブナのしみずで喉を潤し水も底をついたので補給し一ノ倉沢出合いの手前から新道に下り湯檜曽川沿いの登山道を歩く。前回マチガ沢から下っ時は楽に歩けたが新道も結構歩きがいがあったが山開きに合わせ登山道が整備され歩き易かった。
雪渓を振り返る
芝倉沢の雪渓への取付き
清水峠
芝倉沢
荒々しい岩峰の堅炭岩
堅炭尾根
茂倉岳への稜線にある雪渓
中芝新道への登山道
稜線に咲くミヤマシシウド
鞍部から見る一ノ倉岳
肩ノ小屋手前の雪渓
ホソバヒナウスユキソウ
厳剛新道登山口のマチガ沢の駐車場
【山行記録】
谷川岳の山開きは明日3日だが天候があまり良くないようで今日の天候が日中晴マークだったのと、1日から始まった群馬県デスティネーションキャンペーン(DC)の一環で谷川岳登頂記念木札が無料でもらえることもあり久しぶりに谷川岳に登ってきた。計画では谷川岳から一ノ倉岳、武能岳から蓬峠を巡り土合に戻るコースで出発した。明日3日はロープウエーがAM5:00から運転するが今日は7時からなので前回西黒尾根から登ったので厳剛新道で登る。自宅を4時に出発し土合橋の駐車場に5:15分に着いた。この駐車場は白毛門への登山口として利用されているが今日は周回コースを予定したのでここに駐車し5:20分に出発した。
結局雪渓を30分で下り旧道の芝倉沢出合に戻った。一安心だ!一ノ倉岳から2時間で下ることが出来たが長い雪渓歩きと熊との遭遇は想定外だったが何とか歩き通せ満足だった。芝倉沢からは旧道をノンビリ歩く。
緑が美しい樹林帯の旧道
トマノ耳を望む
10:27 オキノ耳
林道を25分ほどノンビリ歩き16:20分に土合橋の駐車場に戻った。今日は暑かったのと寝不足で所要時間が11時間もかかり疲れたが無事歩き通せたが熊に出会わなければ楽しめたコースだった。しかしこのコースは初心者は絶対入らないことが無難です。入る場合はルートファイテング出来る経験者の同行が必要です。そして自然には逆らえない、時々の最善の対処で無事下山出来たことに満足の1日だった。帰路水上の道の駅「水紀行館」で登頂の証明書をもらいに立ち寄ると5時で終りですよと言いながらも渡してもらった。証明書を貰うのは5時前に行きましょう。
芝倉沢に近ずくと登山道は分かりずらくなり時々現れるペンキを頼りに慎重に下ると雪渓の取付きに出た。周囲を見渡しても登山道がなく雪渓を下るのだろうと思いつつ雪渓に出た。所々雪渓が割れ雪解け水が音を立てて流れている割れ目に注意しながら下る、アイゼンがあれば問題なく下れるのだが当然今日は持参していないので一歩一歩慎重に下る。ここで山登りを始めてから12年目にして思わぬ出来ごとに遭遇した。何と50mほど下の雪渓を熊が歩いているではないか。思わず足がすくんで雪渓から戻り草むらに身を隠して熊の行方を追った。音を立てるときずくかれると思い写真を撮るのも忘れ身を潜めていたらゆっくりと周囲を見ながら雪渓を左から右に渡り山の中に消えていった。谷川岳で熊に出会わないだろうと熊除けの鈴を持ってこなかったため、しばらくしてから恐る恐る熊の入った場所を見ながら雪渓を下った。芝倉沢出合はまだかなり下のようで結構急斜面の雪渓だが表面に凹凸があり滑らないようにゆっくり足場を確認しながら下った。
11:30 一ノ倉岳山頂
ノゾキから見る一ノ倉沢
V字状の岩稜となり右側のクサリ場を登ると左側に一枚岩の氷河ノ跡と呼ばれる場所となる。滑りやすいので右側を慎重に通過する。何度登っても気が抜けない場所だ。
氷河ノ跡を後にさらにクサリ場を登ると左側にザンゲ岩があり横を巻きひと登りするとササの道となり急登も終わり肩ノ広場に出た。ロープの張られた残雪を横切ると天神尾根からのコースと合流し登山者が登ってきた。
10:05 トマの耳
登山道を振り返る
氷河の跡
7:05 マチガ沢展望台
NO17
■山行記録