日本百名山 苗場山  (2,145m)

  昨年尾瀬の燧ケ岳に登った時見た平坦な山頂の苗場山、来年は苗場山の広大な山頂湿原を見に1泊山行をしようと思っていたのがやっと実現した。1日目は雨の中での登りで展望はなく残念だったが翌日は快晴となり広大な山頂湿原をこの目で堪能でき最高。しかし下山路の赤湯ルートは展望もなくアップダウンを繰返す長くきついルートだった

1.山 行 日  : 平成12年7月15日(土) 天候 曇り〜雨
            平成12年7月16日(日) 天候 晴れ    
2.山    域   : 長野・新潟県境   
3.山    名   : 苗場山(2,145m) 日本百名山
4.同 行 者   : 山の会(4名)
5.所要時間   : 1日目 6時間00分   2日目 9時間15分   7,745歩  
6.歩行時間   : 1日目 5時間05分  2日目 7時間05分  16,746歩

【コースタイム】
1日目 
5:20               6:40          8:00           9:00/ 9:25  
自宅  ⇒  前橋IC ⇒ 月夜野IC  ⇒  赤湯林道(駐車)  ⇒  町営駐車場(登山口)  →   

9:50/9:55    11:10      12:45     11:55/12:25   13:05/13:15       
和田小屋  →  下ノ芝  →  中ノ芝   →  上ノ芝  →  神楽ガ峰   →

13:35/13:45    15:00            15:10
雷清水   →  苗場山頂  →   (苗場山頂フュッテ)

2日目
 6:45          7:30                    9:25/9:35     11:35/13:30   
山頂フュッテ  →  山頂散策  → シラビソ廊下  → フクベイ平 →  赤湯温泉  → 

14:40       15:30      16:00          17:10 
鷹ノ巣峠  → 林道終点 → ゲート(駐車) ⇒ 和田小屋(登山口)  

【 山行記録】

 
1日目

 会社の山仲間、Tさん、Kさん、Nさんの4名で念願の苗場山に登ってきた。赤湯温泉の林道ゲートに1台配車し祓川ルートの町営駐車場から登り始めた。かぐらみつまたスキー場脇の登山道を少し登ると
和田小屋への車道に出て車道を和田小屋まで登る、蒸し暑く汗が吹き出る。和田小屋はスキー場のロッジでタクシーはここまで入れる。
 
 最初はスキー場の草原を右斜めに横切り湿気の多い樹林帯に入る。樹林帯を登りつめ湿原に出ると木道の敷かれた下の芝となり
ツマトリソウ、ゴゼンタチバナソウイワカガミなどの花が咲いていた。下の芝からはまた樹林帯のなか高度を稼ぎ森 林限界を過ぎるとナナカマドなどの低木となり岩が露出した急登となる。木道が現れると休憩場のある中ノ芝に到着。ここでは数組の登山者が昼食を取っていた。我々もここで昼食にする今日もコンビニのおにぎりとパンといたって簡単な食事だ。ガスがかかっていて展望は無い。しばらくすると雨が降ってきたので雨具を着用し出発する。

 20分程で
上ノ芝に出る、小松原分岐を過ぎると平坦な道となり股ズリ岩となり鉄バシゴが取り付けてある雨で濡れており慎重に降りる。この先が神楽ガ峰となる、雨でなければ正面に苗場山が見えるはず。岩混じりのガレた道を下ると雷清水という水場に出る。水を補給しさらに下ると鞍部となり僅かにニッコウキスゲが咲いていた。季節によってはさまざまな高山植物が咲くお花畑となる場所だ。 ゆっくりと高度を上げるとヤセ尾根となり岩混じりの急登となる。さすがに疲れも出で足が重くなる、ゆっくり休々み左側の切れ落ちた岩稜を慎重に登る。突然視界が開け広々とした苗場山山頂の端に出た。傾斜の緩やかな木道を登っていくと右奥に遊仙閣があり左側奥に苗場山最高点の標識が樹林の中にある。ここで前後して登ってきた信越化学山岳部のグループがテントを張っていた。

 今日泊まる苗場山頂フュッテはここよりわずか左奥にある。雨模様なのでこのままフュッテに入る、フュッテはまだ新しく多くの登山者で賑わっていた。今日は満員となるとのこと、まずは寝る場所を確保し夕食まで休憩とした。6時30分からの夕食は定番のカレーだった。食後は疲れもあり7時過ぎには寝てしまった。                 

2日目

 5時に起床し天候も回復し晴れてきたので山頂の散歩に出ると思っていた通りの山頂風景が目の前に広がっていた。澄んだ空気と雲の切れ間から
赤城山、白根山、横手山、火打、妙高山、立山などが見渡せた。
6時30分より朝食をとり身支度をし7時に出発する。

 下山は赤湯温泉経由の昌次新道ルート、広大な山頂を地塘やワタスゲを見ながら歩く、苗場の由来となった地塘の中に
ミヤマホタルイが田んぼに植えた苗のように見える。幻想的な風景に出会え気持ち良い。ワタスゲやチンクルマの胞子など鑑賞しながら木道を歩く山頂の湿原は尾瀬とは一味違った光景だ。夏の花にはまだ早く余り咲いていなかった。山頂の南端からは急斜面のガレた岩場となり慎重に下る、傾斜が緩くなり左に巻くと昨日登った神楽ガ峰から苗場山への稜線が見渡せ急な登りが良く見える。

 ここからはオオシラビソの群生するシラビソ廊下となり木の根が張り出し歩きづらい道となる。展望のない樹林帯の登山道をグングン高度を下げるとブナ林の平坦な道となりフクベノ平となる。これより先水場を過ぎると石混じりの急傾斜をジグザグに沢沿いに下る。鉄橋を渡り赤倉山分岐まで登り返す、歩き疲れた足では結構きつい、喘ぎながら登り詰め分岐で小休止だ。あとは清津川まで下り再び鉄橋を渡り左側の沢沿いの川原に出て石のペンキマークをたどり歩くとまもなく赤湯温泉に到着した。

 赤湯温泉は入浴料500円を払いサンダルで2分程先の清津川沿いの露天風呂だ、簡単には来られない秘湯。汗を流し昼食にした、まずビールで乾杯そしてインスタントラーメンを食べ2時間ほどのんびり休み出発。登山道は露天風呂の脇を通り清津川の鉄橋を渡ると傾斜のきつい樹林帯をジグザクに登る。温泉に入りビールを飲んだ後の登りで息も切れ汗だくになりながら登るとやがて緩やかな登り下りを繰り返し鷹巣峠に出た。途中赤湯温泉に入りにに登ってくる人達に会う、2時間かけて温泉に入る目的だけでこんな奥地に来るのは本当に温泉好きなのだろうここからは下るのみ沢を渡り林道終点に出ればあとは車止めゲートまでの林道歩きとなりようやく駐車場に到着した。      
 

 下り7時間の歩きは展望も無くまた暑く疲れたが樹林帯の中で直射日光を避けられたのが幸いした。念願の山頂湿原を堪能でき、縦走ルートを歩き赤湯温泉にも入り欲張りな山行だったが無事下山でき楽しい山行であった。機会があれば紅葉の季節にまた訪れたい山だ。
  

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和田小屋からの登山道

苗場山頂に点在する地塘

平坦な苗場山頂

雷清水

木道脇に咲くワタスゲ 

赤湯温泉の露天風呂

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山の記録

苗場の語源となった地塘に生える ミヤマホタルイ