万太郎山    (1,954.1m)

  万太郎山は谷川岳から平標山まで東西にのびる谷川連峰の主稜線のほぼ中央に位置している。東西にのびる縦走路と谷川連峰の山並みと静かな山歩きを求め、土樽から吾策新道で標高差1350mを一気に登りつめるコースを歩いてきました。

1.山 行 日  : 平成16年8月21日(土)
2.山    域  : 谷川連峰
3.歩行 時間  : 6時間10分 
4.所要 時間  : 7時間20分
5.同 行 者  : 単独
6.難 易 度  : ★★☆ 

【コースタイム】  登り:3時間50分  下り:2時間20分
  7:40             9:30        10:30          11:30
登山口(林道終点)  →  舟窪  →  大ベタ手ノ頭  →  万太郎山頂
  15:00            14:00       13:20         12:40

舟窪のピークより見上げる万太郎山



【記 録】
 
 明日は天気がよさそうなので、久し振りに谷川連峰の主稜線を見に万太郎山に登ろうと計画したがオリンピックを見ていてつい遅くなり目が覚めたのが5時。予定より30分遅れて出発、関越道湯沢IC から土樽に向かう。土樽駅を過ぎ直進すると蓬峠へのコースとなる道標を右折、魚野川を渡りさらに進み関越道をくぐり土樽パーキングの脇をさらに直進すると、林道工事のゲートがあり脇に数台駐車できるスペースがあった。

@ 登山口の林道終点 : 7:45
 
 先客が3台駐車していた。空きスペースの路肩に駐車して登山開始。正面にこれから登る万太郎山と大障子ノ頭への稜線が見える。林道工事脇の登山道を歩き、何箇所か工事による迂回路の標識に従い進むと杉林の中に立つ道標がありここから吾策新道の本格的な登山道となった。初めは杉林の中の結構急な登山道が続く。昨日降ったのか草が濡れていてズボンが濡れるが、スパッツを着けるまでもないと歩く。 
杉林が終わるとブナ林となり、木の根が張り出した道やぬかるんだ場所を避けながら傾斜のきつい登りの連続をジグザグに登る。わずかに秋の気配が感じられる静かな山道でした。
A 舟窪 : 9:30

 ブナ林を抜けると明るくなり万太郎尾根に出た。舟窪と地図にあるが、標識もなくよく場所が分からないが視界が開けた1300mのピークだろうか。眼下に土樽パーキングと登山口の林道が良く見えた。
正面には雄大にそびえる万太郎山が現れた。まだ山頂までの道のりは長く左の尾根から右に巻いて登る登山道が見える。今日は暑くなく少し早いが秋の気配が感じられ気持ちよく歩ける。
B 大ベタテの頭  10:30

  2つほどピークを越えると森林限界となり大ベタテの頭とあるが何処にも標識らしきものはない。腐りかけた標識跡らしき物があるピークがあった。ここが大ベタテの頭なのだろうか。ピークから少し下り登り返すと急なガレ場がある。ここは写真では急な坂には見えないが結構急で足場が悪く登りづらい。下りには注意が必要だ。
さらに進むと左側が崩れ落ちたヤセ尾根のガレ場にロープが張られているのでここも慎重に通過する。このコースで唯一危険な場所で慎重に通過したい所だった。ここを過ぎると展望が開け岩稜帯となりさらに直登する。リンドウアキノキリンソウが咲いていた。ここで今日登り始めて、はじめて単独行の私より年配の登山者に出会った(11時頃)。土合駅を3時30分に出発し西黒尾根から肩ノ小屋・オジカ沢の頭・万太郎山と縦走し土樽へ下山すると言っていた。以前に平標まで12時間で縦走したとも話していた、健脚な人だと感心した。岩稜帯を登り終え傾斜が緩やかになると谷川岳からの縦走路と合流する標識が見えてくると、まもなく万太郎分岐だ。
C 万太郎山分岐  11:28

指導標の立つ万太郎山分岐に出ると素晴らしい展望が待っていた。谷川岳が正面に見え
一ノ倉岳から茂倉岳への稜線、谷川岳〜オジカ沢の頭〜大障子ノ頭への稜線。ガスが稜線を流れていく。
山頂直下から3年前に歩いた一ノ倉岳、茂倉岳を望む。一ノ倉岳から茂倉岳への緩やかな稜線歩きは最高だった記憶がよみがえる。
大障子ノ頭への登山道が良く見える。ササの緑が輝いて美しい。この稜線上をいつかは歩いてみたくなる光景だった。
C 万太郎山頂  11:30

  分岐から2分ほどでようやく山頂に到着した。仙ノ倉山が正面にどっしりとそびえている。その右に平標山が見える。以前平標から仙ノ倉山まで登り万太郎山を目の前にした光景がよみがえった。山頂には誰もいなく一人占めで360°の大展望を楽しみながら昼食にした。まもなくもう一人登って来た、私と同じ土樽から登ってきたという、そして2人連れが登って来た。藤岡の人で、今日で谷川は59回目と話しロープウエーを使い谷川岳から万太郎山まで来たという。谷川の魅力について山談義に話が弾んだ。谷川岳は登山者であふれているが一歩縦走路に出れば静かな山になると、同感である。また谷川から平標まで1日で縦走するのはかなりきついので肩ノ小屋で1泊したほうが楽だとか、谷川から万太郎を往復し、平標から万太郎山を往復するという2回に分けるのが良いとか話が弾んだ。万太郎山から
エビス大黒、仙ノ倉山への稜線上の登山道が見渡せる。来年はぜひ歩いてみたい。そのために今回縦走路の中間点の万太郎山に登り実際の山並みを確認するために来たのである。2人連れの登山者はこれから肩ノ小屋まで3時間そして天神平まで戻らなければと言い、何処かの山で会いましょうと言いながら戻って行った。ガスが湧き出してきたので未練を残し下山した。
岩稜帯から大ベタテの頭への登山道を望む

 下りも当然かなりきつい。ゆっくり下ろうとするがつい早くなってしまう、ガレ場を無事通過し一休み。暑いので水を大分飲んだ2L持って来たが残りわずかとなった。舟窪を過ぎると樹林帯となるがまだまだ急坂が続く、この頃になると太ももがパンパンになってきた。もう少しと励ましながら歩く。杉林に入ると林道工事の音が聞こえ一安心、もうすぐ登山口だ。沢の水で喉を潤し緩やかな傾斜となった登山道を下ると林道に出てようやく登山口の駐車場に戻った。駐車場には朝からの車がまだある、日帰りなのか1泊で縦走しているのか?今日も無事下山でき山の魅力を充分楽しめた。自然に感謝です!
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 今回の山行は前から谷川連峰の中心に立つ万太郎山に登ろうと計画していたのがようやく実現できた。谷川岳から仙ノ倉山への主稜線上の縦走路ササの緑が美しい光景が見られ大満足。そして静かな山歩きを堪能できた。登山道も整備されていてガレ場のヤセ尾根と急なガレ場の2ヶ所を注意すれば危険な場所は少ない。北岳に登った時より今日は疲れた感じで、思った以上にハードな山だった。


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万太郎山の写真・花