谷川      蓬峠     (1,592m)

  蓬峠はササの草原が広がる谷川連峰の交差点で黄色い屋根の蓬ヒュッテが峠の目印になっている。蓬峠は6年前に谷川岳から一ノ倉岳に登り土樽へ縦走した時に黄色い屋根が目印の蓬ヒュッテを武能岳山頂からササ原の銃走路に見て感動した。今回は谷川岳の山開きの日にマチガ沢から沢巡りをしながらシラネアオイを求め白樺尾根を登り蓬峠まで歩いてきた。

1.山 行 日  : 平成19年7月1日(日)
2.歩行 時間  : 7時間10分   所要時間 :8時間00分
3.同 行 者  : 単独

【コースタイム】

 7:00         7:20/7:25       7:40     7:50
マチガ沢出合 → 一ノ倉沢出合  →  幽ノ沢  → 新道分岐 →

 8:00/8:05      9:40      9:55/10:00    11:00
JR巡視小屋 → 新・旧道分岐 → 白樺非難小屋  → 蓬峠 →  
 
11:03/11:35   11:40     12:25    13:35/13:40   14:00
蓬ヒュッテ  →  蓬峠 → 白樺非難小屋 → 芝倉沢 →  新道分岐   

14:15       14:35         15:00
幽ノ沢  → 一ノ倉沢出合  →  マチガ沢出合


【記録】

@ マチガ沢出合  7:00 

 今日は谷川岳の山開き。毎年山開きの日は雨が多いいが今日は晴れの予報で久し振りに谷川を歩こうと伊勢崎を6:15に出発した。土合駅を過ぎると遭難者慰霊塔があり山開きの準備をしていた。今日は谷川岳のクリーンハイクも計画されているようで多くの登山者がゴミ拾いをしていた。前回は土合橋から歩いたが今日は時間が遅いのでマチガ沢から歩く計画でマチガ沢出合いの駐車場に駐車して沢巡りをしながらシラネアオイを求め蓬峠を目指した。
マチガ沢出合
A 一ノ倉沢出合  7:20

一ノ倉沢の残雪は出会いには無く奥に望める。山頂はガスがかかっている。多くの登山者が山頂を目指し登るだろうが山頂はガスの中だろうか? 一ノ倉沢出合からは舗装道も終わり林道歩きとなる。ここからは登山者はいない。
一ノ倉沢出合
B 幽ノ沢  7:40

 このコースは新緑の季節と紅葉の季節に歩くのが最高である。今日は汗が吹き出る暑さだ。林道脇にはヤマアジサイが咲いていた。幽ノ沢を過ぎると新道への分岐がある。旧道は登山道の崩落で荒れているとの情報があり新道に一旦下る。急傾斜の登山道を10分程でJR巡視小屋に着いた。
幽ノ沢
C JR巡視小屋  8:00

 小屋の前は広く休憩に丁度良い場所だ。
JR巡視小屋
 JR巡視小屋からは湯檜曽川の川原を歩く。水量は多いいが歩くのに支障が無かった。芝倉沢、武能沢が湯檜曽川に流れ込む出合いを過ぎると旧道との合流点まで標高差300mのブナ林をジグザグ に登る。途中で休憩していたら巡視員の方が登って来てしばらく話した。蓬峠まで行くと話すと、この先の白樺沢に雪渓が残っていたら薄くなっているので間違っても乗らないこと。面倒でも雪渓沿いに降り登り返したほうが安全に通過できると話してくれた。そして巡視員の方は湯檜曽川方面に歩いていった。今日は暑く急坂を汗を拭きながら登ると送電鉄塔が2ヶ所ある。ここ過ぎるとまもなく旧道との分岐に着いた。
 旧道へのブナ林の登山道
D 白樺避難小屋  9:55

 前回はここまで登って下山した。ここまで来ると正面にどっしりとした武能岳が現れる。右手には白毛門から笠ヶ岳、朝日岳の山々が見渡せる。ここからは樹林帯から低木帯となり展望が開けてくる。
白樺避難小屋
 白樺非難小屋を後に先に進むと白樺沢源流に出る。巡視員の人が雪渓が残っていたら気をつけるように注意してくれた場所だ。しかし登山道には雪渓は無く沢の上下に残っているだけでした。沢を渡ると左の斜面に最後のシラネアオイが群生して咲いていました。谷川のシラネアオイは雪解けが始まる5月中旬から7月上旬に咲くという。期待して登ってきた甲斐がありました。 ここで今日始めて犬を連れた登山者が追越して行った。
シラネアオイ(白根葵)
 沢を渡ると草原帯になり岩混じりの道をジグザグに登るとこのコース唯一の難所となるガレ場がある。岩のペンキマークを頼りに慎重に登る。先ほどの登山者が道に迷ったのかガレ場を行き来していて、ようやくコースが分かったのか先に登って行くのが見えた。ガレ場を過ぎるとササ原の登山道となり登山道脇にタニウツギが咲いていた。
ガレ場を登る
 3つ目の沢に「さいごの水場」の看板がある。沢の水は冷たく美味かった。蓬峠への最後の登りになるとコバイケイソウが咲いていた。コバイケイソウや湯檜曽川源流を囲む白毛門、笠ヶ岳、朝日岳、谷川岳を見ながら10分ほど登ると蓬峠だ。 
コバイケイソウ
E 蓬峠   11:00

 歩き始めて4時間でようやく蓬峠にたどり着いた。前回一ノ倉岳から武能岳を下ったササ原に一筋の登山道が見渡せる。峠では登山道を塞ぎ昼食を食べている6名のグループがいた。道を塞いですいませんねと笑いながら楽しそうに食事をしていた。
蓬峠にて
 峠からは白毛門、笠ヶ岳、朝日岳、清水峠、七つ小屋山、その奥に大源太山と谷川連峰の山々が見える。ササの中を下ると黄色い屋根の蓬フュッテが見える。登山道脇にはタテヤマリンドウ、ハクサンチドリ、ハクサンフウロウ、ウラジロヨウラク、ゴゼンタチバナ、ミヤマキンポウゲなど多くの花が咲いていた。北アルプスのように群生していないが、谷川岳は様々な花に出会える山でもある。
黄色い屋根の蓬フュッテ
F 蓬フュッテ  11:03/11:35

  蓬フュッテで昼食にした。犬を連れた単独行氏が先に休んでいた。彼は旧道を一ノ倉沢から歩いて来たと話し所々登山道が崩落していたがロープがあり犬を背負って通過しながら登ってきたと言い、新道より高低差がなく歩きやすいと話してくれた。久し振りにラーメンを作ろうとガスでお湯を沸かしていたら何とガス切れでお湯が沸かせない。仕方なくおにぎりとぬるいコーヒーで我慢する。しばらくすると白毛門から朝日岳に登り清水小屋で一泊してきたという二人連れが来た。小休止するとこれから武能岳に登り谷川岳から西黒尾根を下山すると話し出かけて行った。一度はしてみたい馬蹄形縦走である。蓬峠で休んでいたグループはこれから土樽に下ると話しながら通り過ぎて行った。
蓬フュッテにて
 下山ルートは前回旧道を歩いたので様子は分かるので登山道の様子を確認する意味でも旧道を下ることにした。白樺沢に残る雪渓の下は沢筋が空洞となっていて、確かに乗るのは危険だ。もう少しでこの雪渓も無くなるでしょうね。
白樺沢の雪渓
G  芝倉沢  13:35

 白樺避難小屋から旧道に入り武能沢に出ると確かに沢筋が崩落していた。ガレた急傾斜を下り沢を渡るとロープがあり3mほどを慎重に登る足場を注意して通過する。武能沢を過ぎると樹林帯の登山道となり蓬峠から1時間ほどで芝倉沢に着いた。沢の右の斜面にニッコウキスゲが咲いていた。
芝倉沢に咲くニッコウキスゲ
 芝倉沢の奥に急峻な堅炭尾根が望める。健脚者はこの尾根を一ノ倉岳に登るという。沢を少し登ってみたが登山口が分からない。地図で見ると沢の右側に点線となって書かれている。芝倉沢を過ぎると広い林道となり20分で朝下った新道分岐に着いた。幽ノ沢では遭難者の遺族なのか岩に花を供え供養していた。
芝倉沢
H 一ノ倉沢出合  14:35

 今年も2名の遭難者を出した魔の山谷川岳、一ノ倉沢は今でもロッククライニングを楽しむ登山者が多い。それにしても山は安全に自然を楽しむ山歩きが一番ですね。ここまでほとんど登山者に出会わなかったが一ノ倉沢出合では多くの観光客がいた。相変わらず山頂はガスの中でした。一ノ倉沢を後にマチガ沢までは舗装道を歩き15時に無事戻った。
一ノ倉沢出合
 今日は谷川岳の山開き、多くの登山者が山頂を目指し登ったようだ。今回のコースはピークハント無しに久し振りに7時間歩いて疲れたが特に心配した筋肉痛やケイレンもなく28日からの鹿島槍ヶ岳のトレーニングができ、思ったより多くの花にめぐり合えた山歩きとなった。

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