日本百名山 大朝日岳  (1,870m)

 山形県と新潟県の県境に聳える朝日連峰は2000mに満たない山でありながら山頂までのアプローチが長い。しかし稜線に出ると緩やかな残丘状に悠々と広がる稜線歩きは奥深い東北の名山にふさわしい感動を与えてくれた。

西朝日岳より大朝日岳を望む

1.山行日  :  平成15年8月10日〜11日
           天候: 曇り・晴れ 

2.山  名  :  大朝日岳 (1,870m)
           西朝日岳 (1,814m)
           中岳     (1,812m)
           竜門山   (1,688m)

3.歩行時間 : 1日目 5時間30分
           2日目 8時間15分
4.同行者   : 6名

 【コース・タイム】 

1日目    6:00       9:25/9:40      10:15       11:30       11:45
     日暮沢登山口 →  清太岩山  →  ユウフン山  →  竜門山  →  竜門避難小屋(泊り)

2日目    5:00        5:20     6:40/6:45            8:30/8:40
     竜門避難小屋 → 竜門山  → 西朝日岳 → 中岳 → 大朝日岳避難小屋 →   

      8:50/9:00    9:10/9:20     9:45/10:15         11:35/12:00
     大朝日岳 → 大朝日避難小屋 → 銀玉水 → 小朝日岳 → 古寺山 → 

      12:55       14:45
     ハナヌキ峰 → 日暮沢登山口

【記 録】 @日暮沢登山口〜竜門小屋

 台風10号の影響が心配だったが天気予報に期待して伊勢崎を9日21:50分に出発。佐野ICから東北道の村田JCTで山形道の月山ICまで高速を走り県道27号線で10日3:00に日暮沢の登山口に到着した。駐車場は10台程度であとは道路脇に駐車となる。車中で仮眠をとり、朝食を済ませ6:00に出発した。

 曇り空で雨は降っていない、このコースは最短で稜線に登り詰められるコース。樹林帯の登山道はいきなり急登となる。ブナ林の中、昨日の雨で所々ぬかるんで滑りやすい。風が爽やかに吹き抜ける。3時間25分でようやく
清太岩山に到着した。稜線上はガスで隠れていたが朝日連峰の展望が開けてきた。ここからは稜線上の登山道となるが強風が吹いていた。ユウフン山の山頂は平坦で登山道脇にケルンが有るだけだった。竜門山までは一旦下り登り返せば山頂で登山道の分岐点の標識があるだけだ。

 
竜門避難小屋は15分ほど下った場所にある、途中にハクサンイチゲが群生していた。山小屋は素泊まりのみで1500円だ、まずは場所を確保しビールで乾杯。先程までガスで展望出来なかった山並みがガスが晴れ現われた。竜門山から今日歩いてきたユウフン山、清太岩山の稜線、寒江山からの登山道、月山、鳥海山も展望できる。西側の新潟方面には日本海と佐渡島まで見え素晴らしい展望に大感激した。泊りの登山者が多くなってきた、小屋に戻り夕食の準備、今夜はカレーだ。夕食後、今度は夕日を見に外に出た。山が夕日で赤くなり夕焼け雲も美しい景色だ。風もおさまり快晴となった。夕暮れの山々を眺めているのも楽しく時を忘れる。夕食も済み山小屋は電気も無いので6時頃に寝袋に収まると疲れもあり早々に寝てしまった。

2日目 @竜門小屋〜西朝日岳〜大朝日岳〜日暮沢登山口

 昨晩は雨が降っていたが今朝は雨は降っていない、4時に起床し準備をして5時に小屋を出発した。今日は長丁場となる。風が冷たく吹き抜ける。竜門山まで登り返し西朝日岳を目指す。稜線上の登山道はさえぎる物が無く風が冷たく肌寒いくらいだ、
タカネマツムシソウ、ハクサンイチゲ、ムラサキソバナ、トモエシオガマ、ミヤマアキノキリンソウ等が咲いていた。西朝日岳への途中で朝食を取る、ガスで展望が出来ず残念。

 
西朝日岳山頂からも展望できず。ここから一旦下り中岳を目指す。少し下ると目の前のガスが切れ大朝日岳が現われ素晴らしい光景にバンザイ大朝日岳への登山道と山並が美しい。登山道脇にはニッコウキスゲが色鮮やかに咲いている。中岳の中腹を巻くと目の前に朝日小屋と大朝日岳が迫って見えてきた。鞍部にある金玉水の水場まで水を汲みに下るわずか3分ほどだ。金玉水から朝日小屋まで登り返す小屋の手前にもお花畑が広がっていた。東北の山は2000mにも満たなくても一面に咲く高山植物が見られるのが楽しい。朝日小屋の前にクルマユリが咲いていた、小屋から大朝日岳へはザックを置き空身で登り10分で山頂に立てた。

 山頂からは丁度ガスが晴れ
飯豊連峰、磐梯山、月山、中岳と360°の展望だ。すぐにガスが湧いてきたので写真を撮り下山、下山ルートの登山道の稜線上に小朝日岳が見える。快適な稜線歩きを楽しみながら高度を下げる。振り返れば先ほどまでガスで隠れていた大朝日岳が現われ、昨日歩いた清太岩山からユウフン山、竜門山の稜線が見渡せた。銀玉水の水場で小休止して軽く食事を摂る。飯豊山も朝日岳も水場が登山道脇にあり水の心配がいらないのは助かる。小朝日岳は巻き道で通過し古寺山に到着、朝日連峰の山並みが望めるのもここまでだ。朝日小屋で出会った仙台から来たという単独行氏(お坊さん?)がもう下ってきた、いつも日帰り登山で今日は古寺鉱泉から登ってきた言って下って行った。12〜13時間は歩くだろうと思うとかなりの健脚なのだろう。

 
古寺山からは樹林の中となり古寺鉱泉への分岐を左に分けハナヌキ峰を過ぎると後は沢まで一気に下るだけ、かなり急坂で足に負担をかけないように慎重に下る。沢の音が聞こえてきたらまもなく沢沿いの登山道になった。林道終点に出ると登山口まではなだらか道となりまもなく登山口に到着した。駐車場にはまだ多くの車が駐車していた。駐車場から少し下がった沢で”そうめん”を作りご馳走になる腹も減っていたのでおいしかった。そして今夜泊まる朝日山の家に向かう。途中日帰り温泉(300円)に入り疲れを取り宿に着いた。気の合った仲間との山談義や世間話に弾みビールの酔いもあり楽しい時を過ごし床に着く。明日は帰るのみだ。

 今回の山行は台風で心配したが登ってみれば夕日に映える山並みや、流れ行くガスと切れ間に現われる朝日連峰の雄大な山並みが見られ最高の山旅が出来た。真夏のはずが肌寒いくらいで汗も余りかかず、適度に水場もあり高山植物や稜線上に続く登山道と山歩きの醍醐味を十二分に楽しめた山行となった。

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左の清太岩山からユウフン山への稜線

登山口の日暮沢小屋
夕日を受ける竜門山と竜門避難小屋
中岳と左奥が大朝日岳

ミヤマアキノキリンソウ