北八ヶ岳 天狗岳 (2,645.8m)

  今年の正月に天狗岳に挑戦したが雪とガスで登頂を断念し、夏沢峠の山彦荘に1泊し下山した事が心に残り、夏山の山容を確認する目的で白駒池から歩いて来た。シラビソ林と苔むした原生林の静寂。山頂からの展望は最高で東と西の緩やかな稜線は双耳峰のようで美しかった。

所要時間 : 8時間30分 
歩行時間 : 7時間15分
同 行 者 : 単独

【コースタイム】
  6:40         6:50      7:20       8:15/8:20      8:50     9:50/9:55 10:10/11:05  11:25/11:30
白駒池駐車場 → 白駒池 → 高見石小屋 → 中山展望台 → 中山峠 → 東天狗岳 → 西天狗岳 → 東天狗岳 →

 11:40       12:25/12:30   12:35/12:40    12:45     13:00    13:40/13:45  14:35     15:10
黒百合平分岐 → スリバチ池 → 黒百合フュッテ → 中山峠 → ニュウ分岐 → ニュウ → 白駒池 → 白駒池駐車場

平成14年7月21日(日) 天候:晴れ

【記録】
 いつかは登ろうと思っていた北八ヶ岳の天狗岳に登ってきた。伊勢崎を4時に出発し佐久ICから国道141号を南下、299号を麦草峠方面に右折して白駒池駐車場に6時30分に到着。駐車場は観光客用で有料だが係員はまだいないが、10台程停まっていた。

 まずは白駒池を目指す。苔むした原生林の中を歩く、空気がすがすがしい10分ほどで白駒池に出た。静寂で神秘的な池だ、池を半周し白駒荘の脇から高見石小屋を目指す。小屋に宿泊した登山者が準備体操をしていた。登山道は岩がゴロゴロと露出した急な登りで樹林帯の中だ。

 高見石小屋は樹林の中にある。小屋からは、なだらかな道になったが、相変わらず石が露出した登山道で歩きずらい。八ヶ岳特有な道なのか?樹林帯を抜け明るく開けた場所に出ると岩がゴロゴロとした中山展望台に出た。西にはみだした場所から天狗岳が見えた。ここからまた樹林のなかを歩く。しらびそ小屋と黒百合平フュッテへの分岐の有る中山峠に到着、展望はない。

  ここから一旦下り左側が開けた場所に出ると硫黄岳と天狗岳が見えてきた登高意欲をそそる。樹林帯を抜け岩がゴロゴロと露出した天狗岳の稜線に出ると、正面に東天狗岳と緩やかな稜線で連なる西天狗岳が見えた。岩に滑らないように歩く、このルートは八ヶ岳縦走路で小屋泊まりの多くの登山者が天狗岳から下ってくる。黒百合平への分岐が過ぎれば
東天狗岳の山頂は目の前だ。登山道脇にシナノキンバイ?が咲いていた。岩が露出した山頂には貧相な標識がある。しかし展望は素晴らしく南八ヶ岳の赤岳、阿弥陀岳や真近に爆裂火口壁が異様な硫黄岳が、眼下には正月に歩いたしらびそ小屋が樹林の中に見える。稜線から吹き抜ける風が冷たく真夏の日差しで汗ばんだ体に気持ちが良い。一旦下り岩稜の稜線を登りつめれば西天狗岳の山頂に到着。

  西天狗岳からの展望も360°
編笠山がガスの切れ間に見える。谷から湧き上がるガスが次々と流れていく、見飽きぬ風景だ。根石小屋から天狗岳を目指す登山者が行列で歩いているのが見える。ここでのんびり昼食にした。今日は久しぶりのインスタントラーメンと冷えたトマトが美味かった。次々と登山者が登ってきては歓声を上げている。体が冷えてきたので下山とする。

 東天狗岳まで戻り黒百合平分岐から眼下に見える黒百合フュッテを目指す。登ってきたおばさん達が、すぐそこでカモシカを見たよと言っていた。私はどういう訳か動物に出会った事が無い、一度は見てみたいものだ。登山道はあい変らず岩だらけ、足元に注意しながらペンキの標識に従い下る。ガスっていれば迷いやすい道だ。振り返れば今までいた両天狗岳が稜線で連なりガスと青空が美しい光景を見せていた。

 スリバチ池は僅かに水をたたえた小さな池だ。ここから見上げる天狗岳も美しい、写真を撮るビューポイントでカメラを据えた登山者いた。黒百合フュッテはここから少し下った所にある。小屋前で小休止して中山峠からニュウを目指す。

  ニュウ分岐を右に入り樹林の中を40分ほど下ると岩が積み上がった
ニュウ山頂に出た。山頂からは白駒池が美しい、ここで見納めか、硫黄岳、天狗岳が良く見えた。あとは白駒池まで一気に下り湖畔を半周し駐車場に戻るだけ。白駒池は多くの観光客で賑わっていた。駐車料(500円)を払いに行くと駐車場の係員が天狗岳まで登って来たのかいと言い、コマクサが天狗岳から根石岳への稜線に咲いていただろうと話してくれたが、あいにく今日はそこまで行かず残念ながら見られなかった。

  今度訪れる時は必ずコマクサを見に少し足を伸ばすか別ルートで歩きたい。それにしても久しぶりに7時間を越える山行だったが疲れも無く気分良く歩け、想像した以上に素晴らしい山だった。


 

苔むしたシラビソの林

東天狗岳山頂にて

中山峠より天狗岳展望

シナノキンバイ

戻る