遥かなる山稜の頂きへ

4日目  水晶小屋〜黒部川源流碑〜祖父岳〜雲ノ平〜薬師沢小屋

雲ノ平は祖父岳火山により形成された。標高2500〜2700mで日本で最も高い位置にある 溶岩台地である。面積は25万平方メートル。池塘が点在し、高山植物の宝庫である。 それぞれ○○庭園と名付けらた庭園がある。北アルプスの最深部に当たるため当日中にたどり着くことが困難である。日本最後の秘境と呼ばれる。上部は森林限界のハイマツ帯で、祖母岳や庭園の登山の一部に木道やベンチが設定されている。雲ノ平には、祖父岳(2,825m)と祖母岳二つの山がある。

1.山行日  :  2010年8月10日(火)
2.歩行時間 :  7時間30分  所要時間 : 9時間20分  歩行時間 : 11km
 


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山行記録

【山行記録】

4日目は水晶小屋から雲ノ平を巡り薬師沢小屋までのコースを歩く。
水晶小屋の朝は野口五郎岳から朝日が昇る。西鎌尾根に流れ込む雲海の滝雲が現れ久しぶりに自然の美しさを真近に見る事が出来た。

宿泊者の多くは朝食を食べずに出発していく。単独行の女性は真砂岳から高瀬ダムに向け小屋前の登山道を皆さんに送られながら下って行った。 北アルプスの夜明けを楽しみ朝食を済ませ5:40分に雲ノ平に向け出発した。

鷲羽岳への登山道をワリモ北分岐まで戻り、ジグザグの急斜面を下ると祖父岳との鞍部にある岩苔乗越に着いた。ここから高天原へ下っていく登山者がいた。我々はここからザック−を置き黒部川源流の碑を見に三俣山荘への沢沿い下って行った。源流碑まで50分ほど下りまた登り返さなければならないがせっかく来たのだからと同行者と少し下るとワリモ岳からの沢に最初の一滴が流れ落ちている水場があった。黒部川の源流の山は鷲羽岳と言われている。この沢沿いにはコバイケイソウ、クロユリ、クルマユリ、トリカブト、ミヤマキンポウゲ、アキノキリンソウなど様々な高山植物が咲いていた。

岩苔乗越から50分で三俣山荘と祖父岳への分岐となる鞍部まで下ったが源流碑が見当たらない。沢を越すと祖父岳への急な登山道があり何人かの登山者が登って行くのが見える。探していると三俣山荘への沢を越し平坦な場所に源流碑があった。このルートは鷲羽岳に登らずに三俣山荘へ辿る巻き道ルートになっているのだ。源流碑の前でようやく記念写真が撮れた。岩苔乗越まで今度は65分で登り返す。

源流碑手前の沢から上流を見上げる

黒部川源流碑にて

岩苔乗越に8:45分に登り返し祖父岳に登る。少し登るとワリモ岳からジグザグに下った岩苔乗越が良く見える。祖父岳への登りは一か所ハシゴがあるが簡単に通過しキバナシャクナゲを見ながら岩場をわずか登ると間もなく平坦なケルンがいくつもある祖父岳山頂に9:40分着いた。山頂からは鷲羽岳から三俣山荘や双六小屋も見えた。黒部五郎岳はガスがかかり見えなくなっていた。

祖父岳から祖父岳分岐まで15分で下る。この辺りは日本庭園と呼ばれている場所で左に行けば三俣山荘に下れる。ここからは木道を歩く。ハイマツ越えに水晶岳が見える。30分ほど歩くとスイス庭園があり立ち寄る。

スイス庭園から本道に戻り少し行くとテント場への分岐がありさらに先に進むと高台に雲ノ平山荘がある。この山荘は新築し今日がオープン初日で中は木の香りがしていた。雨も降ってきたので多くの登山者が休憩していた。、ここは三俣山荘、水晶小屋と経営者が同じで今朝水晶小屋にいた若主人が途中で我々を追い越して行ったが雲ノ平山荘で客の対応をしていた。ここで昼食を済ませ祖母岳に登る。

スイス庭園  10:40

雲ノ平山荘   11:15

 祖母岳へは雲ノ平山荘から少し下りと分岐があり20分で登れる。この辺りはアルプス庭園と呼ばれている場所だ。祖母岳(ばばだけ)山頂に着くころは雨が本降りとなった。途中で昨日ワレモ北分岐でこれから高天原山荘に向かうと話していた青年に偶然にも出会った。分岐からさらに木道を辿ると奥日本庭園とアラスカ庭園があるこの辺りはハイマツ帯で花はあまり咲いていなかった。
 アラスカ庭園を後に木道末端まではゆるやかな下り道となる。木道末端からは苔蒸した岩が露出した急坂を薬師沢小屋まで一気に下る。ここの岩は滑るので登りの方が安心して登れると話していたが結構急で登る方が大変だろう。地図では登り2:10分下り1:30分とある。途中新潟から来たという3人連れが我々のすぐ後ろから下ってきたが1人が登山道から3mほど転落しびっくりした落ちた所が砂地で怪我もなく安心た。疲れてくると意外な事故が起きることがあると痛感する。沢の音がしてきたらまもなく黒部川にでて吊橋を渡ると薬師沢小屋に15:00に着いた。

祖父岳(2,825m)

奥日本庭園

祖母岳山頂にて

薬師沢への下り

薬師沢小屋の前にある吊橋

 薬師沢小屋から黒部川源流の奥ノ廊下を目指す登山者もいるようだ。この小屋は地盤の関係で小屋が15度位傾斜していると受付の人が話してくれ、部屋に入ると少し傾いているのが良く分かる。この小屋に泊る登山者はベテランの登山者が多いようだ。部屋で夕食までビールを飲みながら歓談し時を過ごす。5時から夕食となる、最近はどこの山小屋も食事が美味く楽しい夕食となった。食後は疲れもあり早々に爆睡した。

【コースタイム】
 5:40       6:15/6:25    7:15/7:40      8:45/8:55    9:40/9:50   10:05/10:10      
水晶小屋  →  岩苔乗越  → 黒部川源流碑  →  岩苔乗越  →  祖父岳  →
  祖父岳分岐  → 

10:40/10:45   11:15/11:40  12:00/12:05   12:50/13:05       13:35        15:00
スイス庭園  →  雲ノ平山荘  →  祖母岳  →  アラスカ庭園   →  木道末端  →  薬師沢小屋


1日目 太郎平    2日目 黒部五郎岳    3日目 鷲羽岳・水晶岳    5日目 薬師沢〜折立

ワリモ岳と鞍部の岩苔乗越を望む

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